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【アレキサンドライト番外編】君への願い #06



side アキ




「井上様、お話を合わせてくださいましね」

車を降りてじぃちゃんちに入り、長い廊下を歩きながら菊乃さんがそう言った。

「え?」

奥の部屋の前までくると、障子の前に跪き中に声をかける。

「お館様、井上様が遊びにいらっしゃいました」

「おお、入れ」

中からじぃちゃんの声がして、菊乃さんが廊下に面した障子を開けた。

「おお、小僧! 息災か?」

俺の顔を見るなり、じぃちゃんが嬉しそうに手招きした。

「じぃちゃん、久しぶり! いきなり来て悪い」

「なぁに、悪いもんか。いつでも遊びに来いと言っているじゃろう? いや、むしろここに住んでも構わんぞ? やむを得んから、如月も一緒に住まわせてやっても良い」

そう言ってあごひげを撫でながら、高らかに笑う。

「やだよ。じぃちゃんと菊乃さんの邪魔じゃん、俺」

じぃちゃんが手招きするから、じぃちゃんの横に腰を下ろした。

「すぐにお茶のご用意をいたしますね」

「いいよ、菊乃さんっ。俺、自分で淹れるし」

「いえ、とんでもございません。少々お待ちくださいませ」

そう言って三つ指を立ててお辞儀をすると部屋を出ていった。

「ほう……小僧。なにかあったか?」

「えっ?!」

じぃちゃんが俺の目を覗き込むようにして訊いてきた。やべぇ、なんでも見透かされそう。じぃちゃんのすげぇ眼力に、思わず目を逸してしまう。

「別に、なにもねぇけど?」

「ほう……」

目が――――目が、嘘をつく気か?って、責めてくる。

俺はいたたまれなくなって、立ち上がり「菊乃さんの手伝いをしてくる」といって、部屋を出た。


逃げるように台所に行くと、菊乃さんがお湯を沸かしているところだった。

「井上様?」

「俺、じぃちゃんに嘘をつくとか、無理なんだけどっ」

俺の必死の訴えに、菊乃さんが驚いた後すぐに笑う。

「笑い事じゃないっすよ。なんでじぃちゃんにさっきのこと言わないんすか?」

「言う必要がないからです」

「いや、でもさ」

「井上様」

もうこの話はコレで終わり。そう宣言するように名前を呼ばれた。

菊乃さんはじぃちゃんに余計な心配をかけたくないんだろう。でもさ、そういう問題じゃなくね?

「井上様、おまたせいたしました。お茶の準備が整いましたので、お館様のところに戻りましょうか」

そう言ってお茶セットを持ちながら菊乃さんがにこりと笑った。




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