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甘いも、せつないも、すべての想いはあなたと共に・・・
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【アレキサンドライト番外編】君への願い #07



side アキ




「そういえば井上様。こちらの雑誌をご覧になりますか?」

じぃちゃんと並んでお茶を飲んでいると、菊乃さんがテーブルの上に雑誌をだした。

「あ、これ……」

俺が買いに行こうとした雑誌だ。龍が編集長を務めている経済誌。表紙に敦彦の名前がある。

菊乃さんに礼を言って雑誌を手に取り、パラパラとページをめくった。

あごひげを撫でながら、じぃちゃんも雑誌を覗き込む。

俺はじぃちゃんにも見えるように雑誌をテーブルに置こうとしたけど、「如月の顔なんぞ、見たくもないわい」って言って腕を組んで顔をぷいっと反対側に向けた。

でも、俺がページをめくると、横目でチラチラと見ている。

ったく、素直じゃねぇなぁ。

「じぃちゃんと敦彦って、似てるって言われない?」

「わしが? 如月と? そんなわけあるまいっ」

激するじぃちゃんの対面で、菊乃さんがうんうんと頷いている。

そんな菊乃さんをじぃちゃんがジロリと睨んだんだけど、菊乃さんはどこ吹く風ってカンジでクスクスと笑いながらお茶を飲んでいる。

「まったく、小僧も小僧なら、菊乃も菊乃じゃっ。わしがあやつに似ておるなどと……」

って、ブツブツ言ってる。

同じこと敦彦にも言ってみようっと。きっと同じ反応すると思う。

「小僧、なにをニヤニヤと笑っておる」

じぃちゃんにジト目で言われ、俺ははぐらかすようにページをめくった。

「あ……」

敦彦の写真が載っていた。

重厚な雰囲気のある応接室で椅子にゆったりと座って脚を組んでいる。

カメラのアングルのせいか、やたらと脚が長く見える。イヤミな程だ。

長い脚。余裕のある笑み。

「なんだかずいぶんと、ええかっこしぃじゃな」

じぃちゃんが敦彦の写真を見ながら、ふんっと鼻息を鳴らして言った。

「俺も、そう思う。なんか、脚ナゲーの、これでもかってほど見せびらかしてるっていうか。スゲーくやしい」

「たしかにそうじゃな。しかし小僧。お主の表情はくやしがっているようには見えんかったぞ。むしろうっとりと見ておった」

「は?」

「こやつのこと、"かっこいい"って思ったじゃろ」

「えっ」

「惚れ直したか? ほれ、言うてみぃ」

じぃちゃんの目尻が完全に下がってる。

そんなとき、菊乃さんが助け舟を――――。

「お館様。そのように本当のことを言っては井上様もお困りになってしまいますわ」

助けてねぇっ。助け舟、まったく来ねぇ!

「菊乃さんっ」

「ご自慢の旦那様ですわね」

そう言ってにっこり微笑むから、俺は顔を赤くしながら「うん……」って答えるしかなかった。

うん。たしかに、かっこいいし……って、"旦那様"?!

菊乃さんを見ると、口元を着物の袖で隠してくすくすと笑ってる。

ふたりして俺のことからかって!!

でも、俺もなんだか楽しくなってきちゃって。ふたりと一緒に笑った。






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