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【アレキサンドライト番外編】君への願い #10



side アキ



「如月様、いらっしゃいませ」

菊乃さんと一緒に敦彦を玄関まで迎えに行った。

菊乃さんはどこかの高級旅館の女将みたいに、優雅に挨拶をする。

「お館様がお部屋でお待ちです。井上様、申し訳ありませんが、ご案内いただけますか?」

菊乃さんが俺に向かってすまなそうに言った。

「いいけど、菊乃さんは?」

「わたくしはちょっと黒木様とお話が――――」

俺が、いや、敦彦も驚いた顔をすると、菊乃さんが慌てたように補足する。

「いえ、明日の如月様のスケジュールをお伺いして、何時に朝食をご用意しようかと思いまして」

ほほ、と笑って俺たち2人を玄関の中に押し込んだ。

しめられた扉に耳をつけてみたけど、側から離れたのかぜんぜん声が聞こえない。

「菊乃は――――なにかあったのか?」

敦彦が訊いてきた。俺はギクッとして振り向く。

「な……なんで?」

ぎくしゃくとしてそう訊き返すと、敦彦の眉がぴくりと動いた。

「今まで何度も泊まってきて、一度も翌日のスケジュールなど尋ねられたことはない。菊乃のネットワークを持ってすれば、私のスケジュールなど筒抜けだ。それをあえて黒木に訊くなど――――おかしいだろう?」

そっか。そうだよな。

でも、菊乃さんがじぃちゃんに黙っていることを、俺が敦彦に話してしまって良いものか悩む。

「アキ?」

「いや、俺にもわかんねぇ」

敦彦から視線を逸し、敦彦の脇を通ってじぃちゃんの部屋に行こうとした。

その俺の二の腕を、敦彦がぐいっと掴む。

「アキ」

「いてーよ。ほら、じぃちゃん待ってんだから、行こうぜ」

敦彦の腕を振りほどき、俺はスタスタと歩き始めた。

でも。

でもやっぱり気になる。

俺はピタリと足を止め、振り返った。

敦彦が俺をじっと見ている。

「敦彦、悪い。じぃちゃんの部屋、ひとりで行ってくれないか?」

敦彦が無言で俺をじっと見続けている。

「ちゃんと、話すから」

「――――わかった」

何か言いたげだったけど、それでも小さく頷いてくれた。

俺は敦彦の横を抜けて、玄関へと向かった。






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