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甘いも、せつないも、すべての想いはあなたと共に・・・
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【アレキサンドライト番外編】君への願い #13



side 菊乃




どうしたものかしら。

"なに"を"どこまで"話そうか。

頭の中で線引きをしながら、井上様の顔を見た。

まっすぐ見つめるその眼差しに、諦めて深呼吸をする。

こんな真っ直ぐな方に、愚者共――――わたくしを含めた愚かな者たちの足の引っ張り合いなんてお話して、その澄んだ瞳を曇らせたくない。

本当にそう思う。

この世の中、なぜそんな真っ直ぐな目で物事を見られるのか。その稀有な存在に、わたくしもお館様もすっかり魅了されてしまった。

一番危険な、一番危ういお方。


わたくしがこう悩んでいる間も急かすことなく、ただわたくしの言葉を待っている。わたくしの口から真実が語られることを信じて疑わない。


「まだ本当のところの目的はわかっておりません」

井上様は真っ直ぐわたくしを見て、かすかに身構えた。

"何を聞かされても動じない"

そんな井上様の強い意志を感じて、思わず笑みがこぼれる。

井上様は、強い方なのだ。

わたくしがあれこれと気を揉む必要なんてない。

「如月様がお館様の後継者としてチカラを持たれることを、快く思わない輩がいるようです」

ごくん、と、つばを飲み込む音が聞こえてきそうなほど動く喉元。その目は真剣で、どんな言葉も聞き漏らすまいとわたくしの口元を見ている。

「年に一度、わたくしが外出することを知っていたのでしょう。わたくしを拐かし、お館様を如月様の後ろ盾から下ろそうと画策したのでしょう。本当に愚かですこと」

小さくため息をついて、こう吐き捨てる。

「わたくしをかどわかしても、お館様が動くわけがありませんのに」

「なんで? じぃちゃんは菊乃さんのこと大切にしてるじゃん!」

「それとこれとは、話が別です。お館様の利にならないことを、選択するはずがございません」

「そんなこと――――」

「それで良いのです。そうでなければ、お館様ではございません」

「そんな……」

井上様がなぜか泣きそうな顔になる。

お優しい方。

そんなお顔をさせたいわけではないのに。

「いやらしい相手です。直接如月様に攻撃するわけではなく、ジリジリと追いつめていく――――そんな狡猾さを感じます」

井上様のお顔から目をそらし、話を続けた。







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