BL-R18+

甘いも、せつないも、すべての想いはあなたと共に・・・
2017年10月 ≪  123456789101112131415161718192021222324252627282930 ≫ 2017年12月
TOP 君への願い ≫ 【アレキサンドライト番外編】君への願い #14

【アレキサンドライト番外編】君への願い #14



side アキ



ひとことひとこと、言葉を選ぶように慎重に話す菊乃さん。

じぃちゃんが菊乃さんのために動かないわけがないと思うけど、そんなじぃちゃんだったらついて行かないって意志を感じた。

大人の恋は、わからねーなぁ。

「ですから井上様」

ふっと視線を外したと思った次の瞬間、菊乃さんは姿勢を正し、まっすぐに俺を見た。

「身辺にはお気をつけください。できましたら事がおちつくまで、こちらにご逗留いただけませんか?」

「えっ?」

冗談かと思ったんだけど、菊乃さんはものすごく真剣な顔で。

事態はそんなに悪いのか? 気の回しすぎじゃ――――

「用心に用心を重ねる事は、悪いことではございません」

俺の思考を先回りするように菊乃さんが言う。

「でも俺の存在なんて――――」

「今回のことで露見したかもしれません」

またしても先回りされる。

そんなにヤバイ状況なのか?

「井上様――――」

「わかった。みんなに迷惑かけたくないし。ここでおとなしくしてる」

「井上様! ありがとうございますっ」

菊乃さんがちょっと泣きそうな顔をして俺の手を握りながらお辞儀した。

「そのかわり――――」

俺の言葉に顔を上げる。

「状況とか、俺にも逐一教えてください」

ほんの少しの間の後、菊乃さんがわかりましたと言って頷いた。

「あと――――」

続けた俺の言葉に、菊乃さんが身構える。

「もしかすると長期戦になるかもしれないから、俺のこと"お客様"扱いするの、なしっす!」

予想外だったのか、菊乃さんが目を丸くして俺を見た。

俺もその目を真っ直ぐ見つめ返す。

無言のまま見つめ合い、どちらからともなく笑いだした。

「もう……井上様ったらっ。かしこまりました。今日から――――そうですわね、ルームシェアする『ルームメイト』ですわね」

おかしくて仕方がないっていう風に菊乃さんが目の端に涙をためて笑っている。

「それとさ、その"井上様"っていうのはちょっと……」

「では、"如月様"?」

「菊乃さんっっ」

口を尖らせたあと、目を見合わせて二人で笑った。





↓よろしければ1日1回クリックしていただけるとうれしいです。更新の励みになります♥
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ

web拍手 by FC2

エラーになる方は、こちらからお試しくださいませ↓
うちのダンナが1番!攻めキャラ投票

 君への願い | Comments(0) | Trackbacks(-)

Comment













非公開コメントにする