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【アレキサンドライト番外編】君への願い #17



side 如月



横ですぅすぅと小さな寝息をたてているアキの髪をそっと指ですいた。

なかなか白状しないので、ちょっと無理をさせたかもしれない。――――ちょっと、な。

逆にここまで白状しないということは、私絡みなのだろう。

ふぅ、とため息をつくとそばにあった浴衣を羽織り、スマホを持って廊下に出る。

スマホで時刻を確認し、黒木に電話をした。

『はい』

「黒木、なんで電話をしたかわかるな」

『…………』

「菊乃からなにか聞いただろう?」

『そうめんのお話を伺いました。なんでも1年に1度しか作らないとか』

「黒木」

『……めずらしいですね。こういうことは私にお任せいただいているのに。ああ、井上様が絡んでいらっしゃるからですか?』

「やはりアキが絡んでいるのか?」

『……失言でした』

わざとらしい。黒木が失言などするわけがない。でもこれは私に情報を入れるための、黒木なりの猿芝居なのだ。

だから私も気づかないふりをして、その芝居に乗る。

「だからアキがしばらく椿山城に泊まると言っているのか。そんなに危険な相手なのか?」

『椿山城の中に篭もられるのでしたら安心です。山城様のSPがそれとなく守ってくださいますでしょう』

「SP? あぁ、あのヤナギとドジョウとかいう二人組か」

『はい。夜凪様と土粧様です。一時期社長の警護にもついていたことがあったかと思います』

二人の顔を思い出し、頼もしいような頼りないような複雑な気持ちになる。

腕はたつが、頭が少々――――

あれはいつだったか。ご老体の跡を継ぐと決めた後、経団連の会長に推された時か――――

と、そこまで考えて、ふっとある人物の顔が浮かんだ。

「相手は、狐か?」

黒木は答えない。しかし答えないということは、肯定していることと同じだ。

そうか。黒木はその顔が浮かぶように誘導したのか。

ふぅ、と、ため息をついて狐のことを考えた。

狐――――関 耕一郎。

私が会長になって一番不愉快に思っている人物。いや、不愉快だけではなく、会長という肩書がなくなり求心力も落ち、それがそのまま業績に影響していると噂の古狐だ。

もともと求心力なんてものがあったかはわからないが。一見温和そうな紳士に見えるが、その実陰湿な、一癖も二癖もある、食えない人物ではあった。

ご老体引退後は自分が裏から経済界を牛耳ろうと目論んでいたようだが、ご老体と比べると見劣りするなんてものじゃない。

人間としての器が、全く違う。

――――迷惑な話だ。

私を引きずり下ろしたら、全てが手に入るとでも思っているのだろうか。

それとも目障りな若輩者に嫌がらせをしたいだけなのか。

それなら私を直接攻撃してくればいいだろう。

『今回直接狙われたのは菊乃様のようです。ただしそこに偶然居合わせた井上様の素性も調べられるでしょう。菊乃様と井上様。どちらが社長にダメージを与えるかと考えれば――――』

ブワッと、体中の毛穴が開いた。総毛立った。しかし次の瞬間、すぅっと冷静になる。

怒りに任せてはだめだ。それこそ相手の思うツボだ。

「黒木。古狐の尻尾を掴め」

『――――かしこまりました』

くだらないことでアキの心を掻き乱した古狐に、静かに怒りの炎を揺らした。





こんばんは。ひかるです。
最近休んでばかりで申し訳ありませんが、明日、明後日の更新をお休みさせていただきます~



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