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【アレキサンドライト番外編】君への願い #22


「なんのことでしょうか?」

山城の部屋で、テーブルを挟み山城と菊乃が対峙している。

「聞き分けろ、菊乃」

「ですから何を聞き分ければよいのか、わたくしには心当たりがございません」

むうっと、山城が口をへの字に曲げる。

正座して背筋をピンと伸ばしている菊乃が、あぐらをかいている山城を見下ろす格好になっていた。それがまた、山城を苛立たせた。

「おぬしも相当頑固者だの!」

「お館様ほどではございません」

むむむっと、への字口がさらに角度をつける。

「心配しておるんじゃ!」

テーブルをひっくり返しそうな勢いで言う山城に、菊乃は驚いたフリをした。

そう、あくまでも、フリ。

芝居がかっているその驚き様に、山城の怒りが頂点に達した。

「ええい! 小僧もろとも、奥座敷に押し込んでくれるわ!」



奥座敷。それは強固な檻に囲まれた、いわば座敷牢だった。

山城の邸宅はセキュリティこそ最新だが、一部古い建物が残っている。江戸時代に建てられたその建物は、一番深いところに座敷牢を抱えていた。

「ヤナギ! ヤナギはおるか!」

声高に叫ぶと、廊下にすっと人影がうつり、山城に応える。

「こちらに。御用でしょうか、御前」

障子を音を立てず開き、ヤナギは身を伏したまま山城の言葉を待った。

「御用も御用じゃ! 菊乃と小僧を奥座敷に閉じ込めておけ!」

「――――は?」

あまりの内容に、思わず口をポカンと開いたまま顔を上げた。

山城と共に、菊乃とも目が合う。

「!!!!」

菊乃の無言の圧力に、思わずその場から逃げ出したくなる。

「御前。そればかりは――――」

「なんだヤナギ。菊乃が恐ろしいのか」

「は――――」

"はい"と返事をしそうになって、圧が増した殺気とも取れる菊乃の視線に思わず首を引っ込めた。

「いいんですよ、ヤナギ。わたくしを座敷牢に放り込んでも」

菊乃が"座敷牢"の部分に力を込める。

「ほら。菊乃もそう言っとる。景気よくブチ込んでこい」

("景気よくブチ込む"って、いったいどういう状況ですかっ)

ヤナギは泣いてその場を逃げ出したい気持ちをグッと堪え、「かしこまりました」とこうべを垂れた。





こんばんは。ひかるです。
感謝祭の合間の、リハビリを兼ねたちょっとした小話のはずが……こんなにタラタラと長くなってしまっていてすみません。



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