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【アレキサンドライト番外編】君への願い #27



side アキ




目の前の信号がそろそろ黄色になりそうだ。そう思った時、唐突に菊乃さんが口を開く。

「晃さん。ちょっと舌を噛まないでいてくださいね」

「え?」

理由を聞こうとした瞬間、シートに縫い付けられるようなGを感じた。

黄色に変わる直前の交差点に急加速で突っ込むと、アクセルとブレーキを同時に踏んでケツを流す。

スライドしながら向きを変えた車は、交差点をそのまま直進・・左折・・した。

うそだろ、ここ、中央車線!

左隣の車の間をぬって左折とか。うそだろっ?!

顔はこわばって、思わず太もも横のシートをぎゅっと掴む。

そうか。バケットタイプのシートは掴むためにあるのか!って、絶対違う!!

菊乃さんはギアを1つ下げ、グイッと加速した。交差点から曲がった道にはパーキングに大きなトラックが停まっていて。その前にまるで真横からスポッとハマるみたいに駐車した。

シフトをニュートラルに戻し、サイドブレーキをひく。そしてコンソールにある何かわからないスイッチを押した。

「き……菊乃さんっ?! 急になんなんすかっ」

「ちょっとつけてくる車がいたので、まこうかと思いました」

そう言って笑う菊乃さんはいつもの穏やかな笑顔の菊乃さんだ。

「あ、来たみたいです。晃さん、シートを倒して身を潜めてください」

俺の方にあるドアミラーを見た菊乃さんに言われるままにシートを倒した。菊乃さんも俺に続いて同じ体勢をとる。

いや、シート倒したって、こんなド派手な車。一発でバレんだろ?

息を潜め、首も最大限に引っ込め、車が通り過ぎるのを待つ。

やばい。心臓がうるさすぎて。その音で気づかれてしまいそうだ。

はやく。俺達に気づくことなく、早く行っちまえ。

しばらくして――――ってほど経っていないかもだけど――――車が通り過ぎる音がした。

それが対象の車だったんだろう。菊乃さんが「もう大丈夫です」と言って身体を起こす。

なんで大丈夫なんだ? そんな顔をしていたみたいで、菊乃さんが外に出れば理由がわかると教えてくれた。

外に出て、俺は力いっぱい驚いた。

そこに真っ赤な車はなくて。いや、色の問題じゃない。車が、車がないんだ。

まだ締めていないドアから見える室内は車のソレなんだけど、ボンネットの方を見るとアスファルトの路面が見え、屋根を見るとパーキングの向こう側の景色が見える。

「え? え?」

「晃さん、走りますのでとりあえず乗ってください」

そう促され、おとなしく助手席に座った。





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