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【アレキサンドライト番外編】君への願い #28



side アキ



まだ心臓のバクバクがおさまらない。

でも横を見ると、涼しい顔をして運転している菊乃さんがいて。

なんだか俺だけバクバクしているっていうのもかっこ悪くって、平気なふりをした。


フロントガラスから見える車体の色は黒になっている。

「最初は赤で、その次は透明?になって、今は黒なんすね」

「え? ああ、車体の色ですね」

最初は何を言われたかわからなかった菊乃さんが、ボンネットを見て気がついたようだ。

「車の表面に特別なフィルムが貼ってあるんです。先程透明に見えたのは、路面や壁などを写した映像をそのフィルムに映していたからなんです」

聞いてみればなるほどって話なんだけど、それを違和感なくできるのってすげーんじゃ?

「本当に彼は天才ですよね」

ん? 彼?

菊乃さんの口ぶりじゃ、俺も知っている人のようだ。

俺のまわりでそんなことができる人間といったら――――。





「菊乃さん! いらっしゃいませ!」

目的地についた菊乃さんは、慣れた様子で雑居ビルの階段を上がっていった。その先で若い男が嬉しそうに菊乃さんを出迎える。

え? 誰?


ここはあの変態科学者のラボがある雑居ビル。

見た目は昭和初期って感じの古ぼけたビルなんだけど、中はスゲー。

普通の事務所の奥にある隠し部屋になっているラボにはデカイコンピューターがいくつもあって。

「あっ。もしかしてアキさんですか? いつも萩尾がお世話になってます! 俺は萩尾の助手兼営業の、間宮 友基まみや ともきって言います!」

そう言って握手を求めてくる。

萩尾って誰だ?って一瞬わからなかったけど、ああ、あの変態科学者がそんな名前だったっけって思い出した。

でもあの変態科学者に助手なんていたんだ。しかもこんな人が良さそうな。

「なんで俺のこと知ってんの?」

「いつも新商品のデータを提供――――いててててっ」

と、そこまで言って、音もなく現れた萩尾に耳を引っ張られる。

「おい。データの提供ってなんだよ」

「これはこれは岩下女史にアキさん。こんなせま苦しいところにようこそいらっしゃいました」

こいつ、はぐらかしやがったな?

「あなたのことですから、もう調べてあるのでしょう?」

しばらく萩尾と菊乃さんが無言で見つめ合った。先に根負けしたのは萩尾だった。

「岩下女史にそんなに見つめられたら、心臓が悲鳴をあげます」

って、フツーのトーンでしれっと言った。

「ふふ。あなたの心臓はそんなにやわではないでしょう?」

そう言うと、萩尾が勧めた椅子に座ってモニターを見る。

俺も菊乃さんの後ろにまわってモニターをのぞいた。






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