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甘いも、せつないも、すべての想いはあなたと共に・・・
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【SS】必然の偶然 後編




side A




いない。

何回往復しても会わない。会えない。

階段のところで、カフェテリアに戻ろうか悩んだ。その時降りようとしていた階段を上がってくる二人連れが、俺の横を通り過ぎて。ひとりは俺がいるフロア、もうひとりは上の階へいく階段を昇ろうとして声をかけられる。

「あれ? 研究室いかねーの?」

「自販で水買ってから行こうかと思って」

「いいね、俺も行く」

そう言って二人で上の階へ昇っていった。

研究棟は5階建てなんだけど、真ん中の3階にしか自販機がない。

ここは2階だから、飲み物が欲しければ上の階に行くか、外に出て購買まで行かなきゃいけない。そうでなければ、外のコンビニか。

そうか!

あいつ、自販機のとこに行ったかも。

そう考えた俺は、勢い良く階段をあがった。


上から降りてくる奴をよけながら、上に昇る。

すれ違った奴らは、今晩行われるサッカーの国際試合の話に夢中になっていた。

サッカーの試合はいつもアイツと見てたのになぁって思って、ちょっとさびしくなった。





side B



研究棟に入り階段を上がっていると、上から二人組がサッカーの話をしながら降りてきた。今晩テレビで中継する代表戦の話のようだ。

サッカー中継を観る彼が楽しそうで、その横顔を見るのが好きだった。

手に汗握り、鼻息を荒くして頬を上気させる彼を観察するのに夢中で、気がつけばアディショナルタイムに入っていたなんてこともザラだ。

「あれ? いない……」

研修室のあるフロアを端から端まで歩いたけど彼に会うことはなかった。

往復してみようかと思ったが、その途中で教授に呼び止められ研究室に入った。




side A




「え? 会えなかった? なんで?」

カフェテリアに戻ると、俺のあとを追うようにアイツが研究棟へ向かったと聞かされた。

研究棟とカフェテリアを結ぶ道はほぼ1つ。それなのに出会わないなんて、俺達って運がない。

いや、運がないというより、縁がないんじゃないかって思ってしまう。


「LINEすればいいじゃん。"会いたい"って」

「それはダメ」

「なんで?」

「"会いたい"なんて言ったら、アイツは無理にでも会おうとしてくれる。それじゃダメなんだ。アイツががんばってるのに、それを俺が邪魔しちゃダメだろ?」

「健気!」

「うるせー。茶化すなっ」

バイトに行く時間になったので二人とは別れ大学を出る。

ファストフードでのバイトをこなし、店を出る頃はすっかり日も暮れていた。

ため息を一つついて歩き出す。

大学に行って。バイトして。

これが俺の日常だったのに。

アイツと出逢って、俺のすべてが変わった。

アイツと一緒にいると、なにもかもが新鮮で楽しい。


アイツがいないだけで、こんなにも色褪せて……

「さびしい」

口に出すと、もっとさびしくなった。

俺の隣にはいつもアイツがいて。穏やかに笑っている、そんな顔を見るのが好きだった。

ふと横を見ると、ショーウィンドウの中に寂しげな男がうつっている。

「ひでぇ顔」

「そう? 僕は好きだけどな」

ショーウィンドウに映る俺の後ろに、いきなりアイツが現れた。

俺はくるっと振り返り、腕を掴んだ。

「なっ、なんで?!」

「ちょうど大学から帰ってきたところ。スゴい偶然だね」

穏やかな口調に、目が潤みそうになって慌てて口をぎゅっと結ぶ。

「偶然といえば、今日代表戦なんだってね。よかったら、僕んちで一緒に見ない?」

「……でも、論文があるんだろ……」

「息抜きぐらいさせてよ」

「そっか! 息抜き! 息抜きは必要だよな! 行く! 代表戦、見る!」

偶然あった日が、偶然代表戦なんて。運もあれは縁もある!

俺はまるでスキップでもしそうな勢いで、アイツの家へと向かった。




「すげぇ! 勝った!!」

試合の興奮を引きずったまま、鼻息荒く隣に話しかけると、いきなり目があってドキッとした。

「よかったね」

床についた俺の手の上に手を重ね、ずいっと前のめりになる。

やばい。めちゃくちゃドキドキするっ。

「そ、そういえばさっ。俺と入れ違いでカフェテリアに来た……んっ……だって?」

耳をれろりと舐められ、躯がビクッと反応する。

「コンビニの……あっ……クジで……あっ……偶然……甘い……の当たったから……あんっ……だめ……服の上から……ちく……び……カジカジ……ダメッ」

いつもは穏やかな笑顔なのに、乳首を服の上から甘噛みするその笑顔は、ちょっと意地悪だ。

でもその笑顔にドキドキする。

「でも……さ。コンビニで……クジなんて、やっ……んっ……てたっけ? 朝寄った時……なにも……言われなか……んあっ」

反応しているモノを手のひらで覆われ声が裏返る。

意地悪な顔が、さらに意地悪く歪む。

「まさか――――偶然とか……嘘……あっ」

前を開けられ、下着越しにはむっと咥えられる。そして手を伸ばされ、乳首を愛撫される頃はすっかり床に押し倒されていた。

「もしか……して、さっき偶然会ったのも……ウ……うっ」

「偶然ポロリしちゃったね」

そう言いながら、下着から取り出したモノを音を立てながらフェラる。

そんな偶然、あるわけないだろっ。

「あっ。こんなところにローションが! 偶然ってすごいね」

偶然そんなものが転がってたら、どう考えてもヤバイだろーが。

「偶然、入っちゃったらゴメンね」

「――――やだ」

俺の言葉に、ピタリと動きが止まる。

「いやだ?」

俺はこくんと頷き、言葉を続けた。

「やだ。偶然じゃ、やだ」

真っ赤になる俺を前にして、意地悪な笑みが崩れてクシャクシャになる。

「ああもう、かわいい」

そう言うと、俺をギュッと抱きしめた。






このあと。

だめなときはちゃんとダメと言ってくれるっていう約束をした上で――――会いたい時はちゃんと伝えようということになった。

無駄に研究棟を歩き回ったり。会う口実を作るためにコンビニで無駄に買い物したり。そういう"偶然"はもう無しだ。

会いたいって思う相手がいる。

会いたいって言ってくれる相手がいる。

出会うべくして出会ったのか。

それとも、それこそが偶然だったのか。

そんなのはわからないけど。

「なに?」

横を向くと穏やかな笑顔が俺を見つめていて。

「――――好き」

思わずそうつぶやいて、抱きついた。



必然の偶然 完





こんばんは。ひかるです。

大遅刻、すみませんでした~っっ






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