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甘いも、せつないも、すべての想いはあなたと共に・・・
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【アレキサンドライト番外編】君への願い #41



side 関



フロントで深山の所在を確かめると、係の者が出てきて案内すると言った。

場所は客室の最上階。エグゼクティブフロアだ。専用のキーがないとエレベーターも停止しないその階は、踏みしめた絨毯からも異世界であることが伺える。

私クラスでもそうそう使えないフロア。そこを対談のためだけに使う。

私に対し敬意を払っているのだろう。そんな気持ちが感じられて、非常に気持ちが良い。

深山くんもなかなかやりますね。


上機嫌で部屋の前に立ち、中から手迎えた深山くんに「やぁ」と手を上げ挨拶をしながら中に入った。

そのままの状態で凍りつく。

通された部屋のあつらえの良いソファに悠々と脚を組み私を待つ人物。

まさか。そんな。

その人物はゆったりとした動作で立ち上がると、私の前に歩み寄り手を出した。

それが握手を求めているのだと気づくのに、数秒かかった。

「ご無沙汰しております。お元気そうで何よりです」

「如月くんも変わらず元気そうですね」

そう。目の前にはあの忌々しい男が立って握手を求めているのだ。

不本意ではあるが、上げた手を下ろし如月の手に重ねる。

お互いニコリと笑ってガッチリと握手をした。

心なしか、握る手の力が強い。そう感じるのは、私の心にやましいことがあるせいか。

そこで気がついた。

敬意を払われたのは、自分ではないことを。

ギリッと奥歯を噛み締め、漏れ出そうになる敵意を押しとどめる。

いや、これは考えようによっては非常に愉快な状態ではないか?

同じホテルで自分の色が別の男に犯されている。それを知らない如月は、ここで私と――――すべてを画策した私とにこやかに話すのだ。

これ以上愉快なことがあるか。

「どうぞお座りください。あ、きみ、コーヒーを3つ、お願いできるかい?」

私を案内したホテルの人間に深山が声をかけた。

私はコーヒーを飲まないのを知らないのか?

この無礼者が。

そう思いながら、如月と相対する位置のソファに腰を下ろした。





side 深山



コーヒーを頼んだのはわざとだ。

関氏は無類の紅茶好きとして知られている。

チラリと様子を伺うと、明らかに苦虫を潰したような表情をしていた。

おもしろい。わかりやすすぎる。

声を上げて笑いたくなるのを必死でこらえていると、敦彦が目の端で俺を諌めた。もちろん関氏には見えないように。

悪い悪い。

でも、これは援護射撃。

コトが上手く運ぶように、関氏のイライラを少しずつ増幅させる。

でも、俺ができるのはここまで。

あとはお前次第だ、敦彦。


お手並み拝見、といこうか。

なんだかすっかり楽しくなってきて、ニコニコとしながらソファに座ると、再び敦彦に睨まれた。


だってさ。狸の後継者と狐の化かし合いを特等席で見られるんだぞ?

そりゃ、ワクワクもするさ。






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